2019年6月28日金曜日

最高裁の再審妨害


2019627
最高裁による大崎事件の再審妨害抗議文

昨日最高裁第1小法廷の裁判官全員の一致で、大崎事件の再審請求を棄却しました。大崎事件は2002年3月(第一次再審請求)、2017年6月、2018年3月(第三次再審請求)の3回に及んで再審開始が決定されています。
 無実の人を救う最後の砦である最高裁が、地裁、高裁の再審開始決定を、司法の責任を果たそうとせず無残にも取り消してしまいました。
今回は3度目の再審開始決定に対して、検察が最高裁に特別抗告を申し立てたものです。これについて最高裁は、単なる法令違反、事実誤認の主張であると退けながら、地裁及び高裁の再審開始決定を誤りであるとして再審開始を取消したものです。
最高裁の決定は、福岡高裁宮崎支部で転落事故の可能性を指摘した鑑定を、「過大に評価し」、「実質的な総合評価を行わずに結論を導いたもので、不合理であるといわざるを得ない」と葬り去っています。
また、この鑑定人に対して「豊富な経験と専門的知見を備えた法医学者」と認めながら、「死体を直接検分しておらず」「言及されている情報や解剖の際に撮影された12枚の写真からしか死体の情報を得ることができなかった」と、全く見当はずれの批判をしています。
その上で「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるものとはいえない」として、裁判官全員一致の意見により再審請求を棄却しています。
大崎事件の冤罪犠牲者である原口さんは、6月15日で92歳の誕生日を迎えたばかりです。92歳の誕生日に花を添えるはずであった最高裁の判断は、再審妨害という不当な壁でした。最高裁のこうした姿勢は、事実を直視せず、原口さんの命を掛けた闘いを、有無を言わさず圧殺したものに他なりません。
昨年6月11日の東京高裁による袴田巖さんの再審開始決定の取消し、さらには7月のオウム真理教幹部13人の大量死刑執行などは、歯止めの効かない国家権力の恐ろしさを感じます。
大崎事件の再審開始決定の取消に強く抗議し、最高裁の良心がまだ存在しているのであれば、今後再び誤判による冤罪犠牲者を出さない姿勢を求めるものです。

               島田事件対策協議会有志
               浜松 袴田巖さんを救う市民の会有志

2019年6月19日水曜日

赤堀さん90歳の誕生日

 赤堀政夫さん90歳の誕生日の日に、島田事件対策協議会の代表が、名古屋の赤堀さんを訪ね、誕生日のお祝いを届けました。映像はその日の様子です。


島田アピールにご賛同いただいた皆様へ


 今回、赤堀政夫さんの解放30年・90歳誕生日のタイミングで提起した「島田アピー
ル:冤罪を生み出す温床の解消を目指し、再審法改正と死刑廃止を」に対して、多く
の個人・団体から熱い賛同のメッセージをいただきました。誠にありがとうございま
した。
 島田事件対策協議会は617日、島田アピールに賛同していただいた370名・20団体
を代表して、安倍晋三内閣総理大臣と山下貴司法務大臣宛ての要望書を内閣府および
法務省に提出しました。法務省では、福島みずほ参議院議員(社民党)の労により、
意見交換会という形で約1時間、刑事局・矯正局の担当者を前に、代用監獄の廃止や
誤判原因究明委員会等の設置、絞首刑の残虐性、死刑執行に対する異議申立、裁判に
於ける全面証拠開示、再審裁判に於ける検察官上訴の禁止など、冤罪をなくすための
主張を幅広く訴えることができました。
袴田巌さんの再審無罪を勝ち取る闘いなど、冤罪を晴らし、冤罪をなくす闘いは各地
で取り組まれています。皆様とともに冤罪のない社会をめざして行きたいと思います
ので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
    20196月吉日         島田事件対策協議会

※添付写真は、「島田アピールを法務省職員に手渡す秋野正男・島対協代表」
※なお、下記URL(朝日新聞デジタル)や地元紙などで報道されました。
8N4Wrr5TSOJ-dX1v8c3tq9UqSOVHREHlu2QpikG7ievcB1wI