2020年7月5日日曜日

上告趣意書のことなど


2020.7.3
上告趣意書の話
 *街歩きから戻った巌さんが一息つくまで約30分ほど待ってからの対話
・大体何時間ぐらい歩くですか
5時間ぐらい歩くんだろうね。
・疲れませんか
5時間位ね
・街の具合はどんなですか
街はねぇ平穏でね
・落ち着いて歩けますか
歩く方はね。自分のペースだからね。自分のペースで歩いているという事だからね。
・飲んだり、食べたりするですか
やってるんだがね
・どんなもの
きんつばなんかね。ジュース、いろんなもの飲んで、金が増えることやってるんだね。
・良いですね。特に気をつけていることありますか
別にないがね
・巌さんに字を教えてもらいたいんですが。(穢の字を見せながら)のぎへんにさいという字。書いた覚えはないですか。
辞典をみにゃ分からんよ。辞典を調べにゃ
・(上告趣意書に書かれている箇所を見てもらい)こんな字
小さいな
・難しい字です。巌さんがたくさん難しい字を書いているので、覚えなきゃいけないと思って。結構字引いたですか。
そりゃ引かにゃしょうがない
・本で覚えたとかじゃなくて、字引で
字引持ってるからね
・一番難しい字はどんな字だったですか
いろいろあるわね。勉強しだしゃ難しいという事じゃないんだね。字はね。辞典にあるんだからね。辞典を調べりゃ分かるんだね
・書こうとして字が分からないと辞典を引いて
そりゃね勉強するときゃ、したんだね。
・いろんなもの書いたですか
あー毎日書いたんだね。袴田通信でね。
・裁判所にも書いたんですか。
字はもういいっんでね。字は覚えちゃったからいいつっんだ。儀式でね。そこまで書いたんんだね。
・(上告趣意書を見てもらいながら)これなんか覚えてるですか。
どうなのかね。覚えてるはずなんだがね。
・上告趣意書
うーん
・この中にたくさん巖さん書いてるじゃないですか。
うーん
・私一番気になったのは、ゾーリ。
ゾーリ?
・ゴムゾーリ
あー
・あれとっても気になって、本当のこと言ってるなと思って。
ゴムゾーリぐらいじゃ強盗は出来んからね。誰だって。警察だって認めるわきゃないんだから。
・あれ一番私は巖さんが言ってること本当だなと思った。気に上る事なんてできっこないって書いてある。
そういう事なんだ。強盗そのものがね。ゴムゾーリじゃできんよ。初めから。
・証拠はどうなっちゃったんですか。
無いんだね
・おかしいですよね
おかしい
・たくさん考えてたですね。
でっち上げだからね。全て作ったもんだから、警察が。ないんだね、ゾーリでも出さにゃね。履いてるものはね。
・たくさん8万字、7万字くらい書いたですよね。
あーそう
・びっくりしちゃった。これでもかこれでもかと書いてるからね。最近そういうこと思い出すことあります
忘れちゃったね。拷問もなにも忘れちゃったんだね
・それの方が気持ちが落ち着きますか
まあ時間だね。時間が経っていて消えてちゃんだね
・悔しいことないですか、消えてっちゃって
無いんだよね。もう終わったんだね。もうそういうことないんだからね
・それが一番ですね
 ご飯の支度が出来たということで終了。(文責:寺澤)

2020年7月4日土曜日

6・30朗読会

 朗読会の新聞記事です。袴田巖さんの無実の訴えを読む企画の第1回を行いました。第2回目は、袴田さんの不当逮捕された日の、8月18日(火)の13時半から、コミュニテーカフェPaoにて行います。

2020年7月2日木曜日

袴田さんが巻き込まれた事件発生から54年



 昨日6月30日で、袴田巖さんが巻き込まれた事件発生から54年目を迎えました。 昨日 雨降りの昼前浜松駅前でスタンディングアピールを行いました。同時に以下の要請書を
最高裁に郵送しました。

2020630


 最高裁判所第三小法廷 
林 道晴 裁判長殿

要請書

54年前の今日、目撃者のいない「清水横砂重役一家4人殺事件」が発生し、静岡県警は「犯人は袴田以外にない。犯人は袴田に絶対間違いないということを強く袴田に印象づけることにつとめる。」との捜査方針で、袴田さんを犯人に仕立ててしまいました。
袴田さんが巻き込まれた事件から、今日で54年目を迎えました。84歳の袴田さんの時間に猶予はありません。貴職の一刻も早い再審開始を求めるため、袴田さんの1976722日付の「上告趣意書」の一部を改めて紹介します。
「本件に於て吉村検事の奪った昭和四十一年九月九日付調書は、右検事の思惑、推測によって架空のことが恰も此の世の出来事のように巧みにデッチ上げ虚構、虚偽をもって本件真相というものを誤魔化し架空のことを列記したものに過ぎません。このような本件犯罪事実については、空論に過ぎない調書に任意性を認めることは人間の誤まちである。裁判官の誤まちで無実の人間を死刑にしてはなりません。本件捜査陣を無法者と原審が認めました。無法者の行なった捜査は総てに於て証拠能力がありません。この点について一、二審の誤まった裁判は、必ず、最高裁で正されると確信致すものである。何れにせよ、裁判官の推定で死罪は許せない。」
袴田さんは釈放から6年が経過しましたが、いまだに死刑確定以降から引き続く精神障害が重くのしかかり、上告趣意書に書かれているような言葉が奪われてしまっています。
前記の「99日付調書」は、拷問を伴う長時間の取調の結果であり、違法捜査の何ものでもありません。東京高裁の再審取消し決定では、証拠開示された取調べ録音テープで暴露された、静岡県警の違法捜査を門前払にしています。
したがいまして、貴職は袴田さんが上告趣意書で訴えている無実の主張を改めて受け止め、直ちに再審開始決定を行うことを強く要請します。

浜松 袴田巖さんを救う市民の会
                   共同代表 渥美 邦夫、寺澤 暢紘