2019年8月24日土曜日

袴田巖さんの再審開始と再収監を許さない

 昨日(8月23日)「袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会」による最高裁への要請を行いました。大崎事件の最高裁決定を批判し、山崎裁判長の退官前の不当な決定を出させず、何としても再収監をさせないという強い意思を込めて行いました。
 以下、要請書の内容です。           
                                  2019年8月23日
 最高裁判所第三小法廷 
    裁判長 山﨑 敏充 殿

            袴田巖さんの再審開始決定を求める要請書
 袴田巖さんは53年前の8月18日、事件から49日目に逮捕されました。
 静岡県警は「犯人は袴田以外にない。犯人は袴田に絶対間違いがないということを強く袴田に印象づけることにつとめる」(「清水市横砂会社重役宅一家4名殺害の強盗殺人放火事件捜査記録」静岡県警作成)と、何としても袴田さんを犯人とするため、拷問を含んだ違法な取調により犯人に仕立て上げたものです。
 こうした静岡県警の不当な逮捕により、袴田さんは「冤罪なれど死刑囚」(袴田さん獄中手記より)として、今もなお冤罪を晴らすための残酷な闘いを強いられています。
 最高裁が行うべきは、東京高裁大島決定の誤った判断を糾し、「言葉」を失った袴田さんの冤罪を晴らすため、司法の正義の実現を図ることにあります。
 今年6月25日の大崎事件の最高裁決定は、「疑わしきは被告人の利益に」とする白鳥決定を何ら踏まえたものではありません。開かずの扉と言われる再審の扉をさらに狭くしたもので、厳しく糾弾されるものであり追随は許せません。
 そして、最高検は「誤った法解釈を前提とする刑の執行停止が継続する状態がいたずらに続くことを解消するためにも、本件特別抗告は速やかに棄却されるべきである。」との意見書を提出し、最高裁が再審開始決定を再び取り消した場合は、袴田さんを死刑台に直ちに送り込もうとするものであり、絶対に許すことは出来ません。
 事件発生から53年、犯人を取り逃がし、事件をでっち上げた捜査機関はもちろんのこと、裁判官の誤りを糾す事で、今こそ最高裁が「耐え難いほど正義に反する」ことなく、袴田巖さんの再審を直ちに開始することを強く要請します。

           袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会
構成団体:日本国民救援会/日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会/袴田巖さんの再審を求める会/袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会/袴田巖さんを救援する静岡県民の会/浜松・袴田巖さんを救う市民の会/無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会

2019年8月20日火曜日

53年前の不当逮捕抗議

 

53年前の今日袴田巌さんは、無実の罪で逮捕されました。夕方5時半から1時間、浜松駅前で袴田さんの不当逮捕に抗議し、再収監を許さないスタンディングアピールを行いました。最高裁は袴田さんが生きているうちの再審開始決定を!検察は再収監を絶対にするな!

2019年8月18日日曜日

袴田巖さんは警察の狙い撃ちにより不当逮捕されてしまいました


袴田巖さんは警察の狙い撃ちにより不当逮捕されてしまいました

1966630日  清水の4人殺人放火事件(7/1 静岡新聞夕刊見出し)
袴田さんはプロボクサーをやめてから、清水のこがね味噌の従業員として、寮に住み込み
で働いていました。事件はその寮と東海道線をはさんだ反対側にある会社専務宅で起きました。専務宅が放火され、消火活動の後4人の焼死体が見つかり、「強盗殺人並びに放火事件」として捜査が始まりました。この事件では消防署による鎮火時刻は特定されていますが、殺人現場の目撃者はなく、犯行時刻は特定できていません。
袴田さんは寮に住み込んでいた同僚と一緒に、パジャマのまま消火活動を行い、そのことは同僚の証言にあります。袴田さんが着ていたパジャマには、消火活動でできた右袖に傷があり、袴田さんの腕にも傷があります。また、同じように消火活動で左手の人差し指に怪我をし、この傷は事件から3日後(73日)に浜北の自宅に帰った際に治療を受けています。

74日 
同僚に勧められ受診。警察医の立会い、診療録に左足のすねの傷の記録なし。
74日袴田さんは同僚から、指の傷の治療を勧められ、清水市内の医療機関に受診しました。その受診は清水署の警察医が同席していました。指の傷の診断書(資料1)には全身の傷を調べたことになっています。しかし逮捕後の強制自白で専務に蹴られて出来たとされる、右足のすねの傷の記載はありません。逮捕時の身体検査調書にも記載はありません。
家宅捜索でパジャマ、作業衣押収。毎日新聞「従業員H」「血ぞめのパジャマ」
この日は任意による取調べが行われ、家宅捜索を受けた寮の部屋から、パジャマ(写真1)と作業意(写真2)が押収されています。そのパジャマにはごく微量の血液が着いていたのですが、警察は「大量の血の付着」と発表。毎日新聞の夕刊では、「従業員H」とか「血ぞめのパジャマ」など警察発表を鵜呑みにした記事を書いています。

818日 事件から49日目の不当逮捕(49日の法事に合わせ)
警察は袴田さんのアリバイがないこと、指の傷、パジャマに付いた油と血液の付着及び腕の傷を事件と結びつけ、事件から49日目の年818日に不当逮捕しました。


資料 1

写真 1

写真 2
 



2019年8月15日木曜日

袴田さん不当逮捕から53年―不当逮捕抗議、再収監を許さないアピール行動

「袴田さん不当逮捕から53年―不当逮捕抗議、再収監を許さないアピール行動」
・日時 8月18日(日)午後5時30分から6時30分まで
・場所 浜松駅前北口にて
     スタンディングアピールを行います。
     準備可能でしたらキャンドル持参でお願いします。
以下はアピール文です。
                     2019年8月18日
      袴田巖さん不当逮捕から53年
    不当逮捕抗議、再収監を許さないアピール
 
 袴田巖さんは53年前の今日(1966年8月18日)、事件から49日目に逮捕されました。袴田さんの逮捕は、行き詰った捜査を打開し、世論の非難を避けるため、静岡県警がでっち上げ逮捕したものです。
 静岡県警は「犯人は袴田以外にない。犯人は袴田に絶対間違いがないということを強く袴田に印象づけることにつとめる」と、何としても袴田さんを犯人とするため、拷問を含んだ違法な取調べを行いました。こうした県警の不当な逮捕により、袴田さんの人生は「冤罪なれど死刑囚」(袴田さん獄中手記より)として、今もなお無実の死刑囚としての闘いを強いられています。
 また、昨年6月11日の東京高裁大島裁判長の不当決定から既に1年2ヶ月が経過し、最高裁の審理が続いていますが、最高裁の判断は予断を許さない状況にあります。それは、先日の最高裁の大崎事件に対する、再審の門をさらに狭くする不当な決定が出されたことにあります。
 なお、最高検は「誤った法解釈を前提とする刑の執行停止が継続する状態がいたずらに続くことを解消するためにも、本件特別抗告は速やかに棄却されるべきである。」という意見書を1年前に最高裁に提出しています。
 このことは最高裁が再審開始決定を再び取り消した場合は、袴田さんを死刑台に送ろうとするもので、絶対に許してはなりません。
 袴田巌さんは無実です。私たちは、53年前の袴田さんの不当逮捕に抗議し、併せて袴田さんの一刻も早い再審開始を求め、再収監を絶対に許さない取り組みを強めます。
           浜松 袴田巖さんを救う市民の会

2019年8月4日日曜日

袴田巖さんの死刑廃絶・再審法改正集会に向けたアピール


袴田巖さんの死刑廃絶のアピール
(死刑制度撤廃124集会獄中アピール集より/19080124日)

死刑制度撤廃124集会に向け獄中からアピールを送ります。
 国家が民衆を殺してよいなどと言うナンセンスなことを黙認するわけにはいかない。
 そもそも法律は殺人を最も悪事とも定義しております。然るに、その殺人を国家が法の名に於て執行するとは、正しく今生に於ける極悪の最たるもので絶対許されない筈だ。
 権力者なら殺人を犯してよいなどと言う現代悪法の典型は心ある国民の力で廃絶しよう!


「再審の門を開け!再審法改正!」全国集会(1981718日)への
袴田巖さんのアピール

袴田事件                            袴田巖
 本集会にお集まりの皆さんに、獄中からアピールさせていただきます。
 私は昭和41630日未明、静岡県清水市で起こったこがね味噌重役一家4人殺人放火強盗事件で、全く身におぼえのない犯人にしたて上げられた元ボクサー袴田巖でございます。
 昭和43年、一審で静岡地裁は私に死刑を宣告しました。そして、昨年1119日、最高裁は上告を棄却しました。
 現在弁護団、無実のボクサー袴田巖を救う会、友人、家族等の力で再審の請求をしていただいております。
 私は最高裁で上告を棄却された当時、獄中で胸に湧いた悲しみ、明らかなデッチ上げに対する押え難い怒り、そういうものが終日私の脳裏に錯綜していました。うす暗い牢獄の中で、ついには還暦を迎え腰の曲がった老人となってさびしく死んで行く自分の哀れな姿を想像したりしました。私の人生の末路はこんなふうになるのだろうか。
 しかし、身をかかがめて長生きするよりは、堂々と生き、また堂々と進むことが人間らしく、またキリスト者らしい姿ではないかと思う。
 彼、巌窟王吉田石松翁に対する権力の犯罪、さらには世には知られることなく葬り去られた幾多の権力犯罪。金森老や加藤老が居り、現在再審を開始させた免田事件、財田川事件・・・、彼らは一生を雪冤にかけたし、またかけている。これら先輩の不墝不屈の驚嘆すべき勝利への戦いの歴史がある以上、私たち冤罪者は泣いてはならぬ。一途に真心で進撃しようと思う。
 イエスキリストの弟子達、パウロの苦難に思いを致したい。
 私はキリストの福音の中に今日の現実の矛盾と葛藤と苦悩を解決する最も貴重なカギが隠されていると確信する人間である。
 こうしたことに到達した獄中生活とは私にとって大変貴重なものである。不自由な中に自由があることを悟り、心の自由さえあれば身はたとえ獄中にあっても私の口に詩や賛美歌や歌が消えることはない。
 すべての善人の苦しみのなかに生命は限りなく美しく芳香を放つもの。私は自分が無罪であることを知っている。私だけでなく私を取り調べた捜査官はもちろんのこと、検察官も書記官もすべてのことを知っている。
 裁判官にいたるまで私に罪がないことを明らかに知っている。
 当局の偽証、物証の隠とく、真犯人隠とくが暴露することを私は信ずる。
 裏木戸、クリ小刀、この一つの事実からも私の無実は明らかにされつつあります。
 歴史の審判は神の審判であり、本件権力犯罪は神の審判が近く必ず下るだろうと私は確信する。
 ご支援を心から感謝します。