2019年6月27日
最高裁による大崎事件の再審妨害抗議文
昨日最高裁第1小法廷の裁判官全員の一致で、大崎事件の再審請求を棄却しました。大崎事件は2002年3月(第一次再審請求)、2017年6月、2018年3月(第三次再審請求)の3回に及んで再審開始が決定されています。
無実の人を救う最後の砦である最高裁が、地裁、高裁の再審開始決定を、司法の責任を果たそうとせず無残にも取り消してしまいました。
今回は3度目の再審開始決定に対して、検察が最高裁に特別抗告を申し立てたものです。これについて最高裁は、単なる法令違反、事実誤認の主張であると退けながら、地裁及び高裁の再審開始決定を誤りであるとして再審開始を取消したものです。
最高裁の決定は、福岡高裁宮崎支部で転落事故の可能性を指摘した鑑定を、「過大に評価し」、「実質的な総合評価を行わずに結論を導いたもので、不合理であるといわざるを得ない」と葬り去っています。
また、この鑑定人に対して「豊富な経験と専門的知見を備えた法医学者」と認めながら、「死体を直接検分しておらず」「言及されている情報や解剖の際に撮影された12枚の写真からしか死体の情報を得ることができなかった」と、全く見当はずれの批判をしています。
その上で「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるものとはいえない」として、裁判官全員一致の意見により再審請求を棄却しています。
大崎事件の冤罪犠牲者である原口さんは、6月15日で92歳の誕生日を迎えたばかりです。92歳の誕生日に花を添えるはずであった最高裁の判断は、再審妨害という不当な壁でした。最高裁のこうした姿勢は、事実を直視せず、原口さんの命を掛けた闘いを、有無を言わさず圧殺したものに他なりません。
昨年6月11日の東京高裁による袴田巖さんの再審開始決定の取消し、さらには7月のオウム真理教幹部13人の大量死刑執行などは、歯止めの効かない国家権力の恐ろしさを感じます。
大崎事件の再審開始決定の取消に強く抗議し、最高裁の良心がまだ存在しているのであれば、今後再び誤判による冤罪犠牲者を出さない姿勢を求めるものです。
島田事件対策協議会有志
浜松 袴田巖さんを救う市民の会有志
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