2018年11月5日月曜日

冤罪と再審を考える11・4浜松集会


袴田巖さんは無実だ!             201810月8日発行
浜松袴田巖さんを救う市民の会会報No.
    連絡先 浜松市中区佐藤1431608   090-9261-4840

 



 
                                       
冤罪と再審を考える
         11・4 浜松集会
袴田巖さん・石川一雄さん・北川好伸さんは無実だ!

 日時:11月4日(日)  午後2時開会 
◎ 会場:クリエート浜松(053-453-5311) 5階 53会議室 
                                                        * 会場カンパ
◎ 講演:虚偽自白を読み解く
― 冤罪を断つために -
◎ 講師:浜田 寿美男(奈良女子大名誉教授)             アピール:袴田巖(予定)、袴田ひで子、石川一雄、北川好伸
・主催:浜松 袴田巖さんを救う市民の会 連絡先:浜松市中区佐藤1-43-1-608 090-9261-4840
・協力:北川好伸さんを支える会/部落解放同盟静岡県連/NPO法人トータルケアセンター/
人権平和・浜松/キッチンガーデン袴田さん支援クラブ/日本山妙法寺(市川隆子)
袴田巖さんは無実だ
最高裁は直ちに再審開始を
検察は再収監をするな

 










11・4浜松集会に
多くの市民の皆さんのご参加を
6・11東京高裁大島決定は疑問だらけの「袴田事件」の全体像を見ることなく、一方的に
検察の主張だけを認める偏ったものでした。5点の衣類の「はけないズボン」は裁判でのウソの証言は不問にしたまま、「はけなかったとは言えない」と何の根拠もなく机上の空論を振りかざし「専務(被害者)に蹴られたすねの傷」は逮捕時の全ての記録にないという事実に対し「全裸にでもしない限りズボンに隠れている場所の傷まで発見することは困難であって」と警察のミス?を擁護さえしています。「証拠を捏造するのであれば、袴田の所持していたズボンに合わせるはずである。」「警察には捏造の動機がない」という主張に至っては人を死刑にする重大な決定であるだけに、裁判官の独断と偏見に心から怒りがこみ上げてきます。
このようにありえない想像をめぐらして真実を見ようとしない裁判官によって、またしても
袴田さんの心からの叫びと家族や支援者の思いは閉ざされました。
舞台は最高裁に移り、有罪率99,9%という悪しき司法の壁が立ちはだかり、私たちのでき
ることは限られます。最高検は再び袴田さんを死刑台に連れ戻そうと画策し、高裁決定でも袴田さんの自由が維持されたことを検察は批判しています。無実の人を再び死刑にしようという企みは絶対に阻止しなければなりません。冤罪のモデルともいうべき「袴田事件」の勝利はこれに続く全ての冤罪被害者に勇気を与えるものです。今こそ、全ての冤罪被害者と心ある人々が一つになって大きなうねりを作り上げなければなりません。
11・4浜松集会に多くの皆さんの参加をこころよりお願い申し上げます。

裁判所を大炎上させるくらいの世論を(やくみつる)
無実の人が
なぜ「自白」するのか

「無実の人を現実の犯罪物語の主人公として罰してしまう冤罪の過ちだけは、何としても避けなければならない。とりわけ問題となるのが、取調室のなかで引き出される虚偽自白である。その虚偽を見抜けなかったゆえに冤罪に苦しむ人たちが、いまもなお数知れずいる。」
(浜田寿美男著 「虚偽自白を読み解く」より)

   集会講師の浜田寿美男さん
 
臨床心理学者の浜田さんは、これまで多くの冤罪事件被害者の「虚偽自白」を、供述心理
学の立場から鑑定書を作成しています。狭山事件への関わりが刑事裁判への最初の関わりで、
1974年に兵庫県で起きた甲山事件での子供の目撃証言や、自白問題に関わり40年以上が経過
しています。
 石川一雄さん、袴田巖さん、足利事件の菅家さんの虚偽自白についての鑑定書を作成し、天
竜林業高校の北川さんの事件では元天竜市長の裁判での証人尋問についての鑑定書を作成して
います。
 無実の人がなぜ「自白」するのかという、純粋な疑問について供述心理学は、「過去の出来事
について、人が何を、なぜ、どのようにして語ったかを理解するうえで、重要な知見を提供す
る事ができる」としています。また、供述心理学では自白過程は問題の犯行を実際に体験した
ものが語ったものなのか(有罪仮説)、それともそれを体験していない者が取調官と協働して想
像で語ったものなのか(無実仮説)、その両者を正確に判別する事を課題としています。
 今回の集会では、冤罪と再審を闘っている3つの事件に共通する「虚偽自白」を読み解き、
冤罪を絶つため、100年前に巻き戻された司法制度の改革に向けた課題の提起をお願いしたい
と思います。
私は無実である1980年 袴田巖再審請求書より)

私に対する住居侵入強盗殺人放火事件について昭和551119日宣告された上告棄却の判決により確定した第一審静岡地方裁判所の有罪判決に対し既に再審請求書が提出されているとおり第一審判決は誤判であり、私は無実である。
依って、当裁判所におかれまして裁判官としての道義的責任を果たして戴きたく、私血の叫び肌あわだつ今日この頃無念の獄中から万感を抱きつつ衷心より排し、左記のとおり意見申し上げ再審開始決定を求めます。

 これは、最高裁が袴田さんを死刑囚にしてしまった直後、裁判のやり
直しを求めて再審請求書を提出した際に書かれた袴田さんの「意見書」
です。この中で、「自白」について拷問、精神的苦痛からの解放を考え「死
を回避するために仕方なしに」振舞ったとしています。
さらに、以下の文章は、この意見書の最後に書かれている内容です。拘置
所で吉村検事に「犯人でない」ことを通告しています。代用監獄(警察署内の留置場)から命からがらぬけ出る事ができて、拘置所に身柄が移された公判開始直前の行動です。                                    

第六 私は静岡拘置所内で吉村検事と会い真実を訴えた。
 本件裁判の以前のある日であった。その場で私は真犯人でないことをはっきり申し上げた。何故一見遅期にそうしなければならなかったか。それは代用監獄でのすべての拷問、精神的肉体的苦痛からやっと解放されたから真実が言えたものである。検察官は犯人でないことの理由を聞いてはくれたがよし分かったといったのみで調書は作成しなかった。私は代用監獄内での当時、即座に迫る死を回避するために仕方なしに取調官らの頭脳が生み出し構成するに至った、本件調書内容を容認したかのように振舞った。だが99日付調書内容は勿論、私が犯人ですとの文章がまず嘘である。
 99日付検察官調書が作成された時の状況は左記のとおりである。吉村検事さんの大学ノートには既に本件供述内容が記されており、うむをいわさず読上げたものである。私が否定すると警察に認めて検事に認められない筈はない。君黙っていなさい。今仕事中だ等一喝したものである。
 吉村検事は右調書作成にあたり刑事二人を取調室の入口外側に座らせていた。つまり代用監獄を悪用した、警察による徹底した不法不当をバックに調書を捻出したものであり、任意性、真実性はない。
狭山事件 私は犯人ではありません
狭山事件の冤罪被害者の石川一雄さんは、一審の「自白」を維持してしまった事を、断腸の思いだと言っています。
狭山事件は発生から55年が経過しています。狭山事件は部落差別に基づいた事件で、石川さんはその犠牲者です。石川さんは逮捕され、長い取調べがあり、一旦釈放され直ぐに再逮捕。ここで、警察は石川さんなじみの地元の警察官を捜査員に加え、「虚偽自白」をさせられ、石川さんは一審で死刑判決を受けてしまいました。しかし、高裁の公判からは無実を訴えましたが、高裁判決は無期懲役。最高裁でも判決は覆らず再審請求を行い、第二次再審の199412月に仮釈放されました。
第二次再審の東京高裁での審理が続いています。石川さんご夫妻を中 
高裁前の石川さん   心に、高裁前のアピール行動が続けられています。袴田さんに高裁の不当決定が出されるまでは、足利事件の菅家さんや、布川事件の桜井さんたち獄友たちが、一緒になって抗議行動を行ってきました。袴田さんとは3歳年下の79歳です。

天竜林業高校調書改ざん・贈収賄事件
345日間の身柄拘束に抗し
検察官調書に押印せず

北川さんは、生徒の大学入学のための調査書の改ざんを指示し、「虚偽有印公文書作成及び行使」の罪と、その生徒の祖父である元天竜市長からの「収賄」の罪で逮捕、起訴されました。
さらに中谷元天竜市長は、北川さんに孫の大学入学に尽力したことへの贈賄の罪で逮捕、起訴されました。
北川さんは345日間の拘束を受けながら、調書改ざん指示と収賄ともに一貫して否認を続け、頑として検察官調書へ
天竜林業高校元校長の北川さん  の押印を拒否し、調書は1通も作らせていません。
元天竜市長への警察の脅し
「孫も息子も坂を転げ落ちてもいいのか」

一方、中谷元天竜市長は起訴前の任意を含め、2ヶ月近く取調べが行われました。こうした長期間、連日長時間の取調べで、時に家族への影響を持ち出されるなどされ、圧力に屈しきれず虚偽自白に堕ちてしまいました。元市長は何回も抵抗し、否認、自白また否認、自白という行為を5回も繰り返しながら、結局罰金70万を支払い、身柄拘束と取調べの苦痛から逃れるため一件落着を図りました。
しかし、中谷元市長は良心の呵責に耐えかね、再審請求審の中で贈賄もせず、うその証言をしたことについて「死んでも死に切れない。北川さんに申し訳ない」と、北川さんに土下座をして謝罪し、法廷でも証人として証言しています。
残念ながら、静岡地裁浜松支部は元天竜市長の証言を認めず再審請求を棄却し、現在東京高裁に即時抗告を申立、三者協議の早期開催による、一刻も早い再審決定を求めています。
= 皆さんのご支援をお願いします。支援団体の連絡先です =
・天竜林業高校調査書改ざん・贈収賄事件支援団体
街頭署名活動
毎月第2土曜2時~
浜松駅前にて
「北川好伸さんを支える会」:〒43-0201 浜松市西区篠原22455
・狭山事件石川一雄さん支援団体
部落解放同盟静岡県連:〒437-1312 袋井市山崎1726-5

カンパ、署名のお礼と重ねてのお願い
袴田さんの再審無罪を求める闘いは、厳しく長い時間がかかりそうです。一刻も早い再審無罪を勝ち取るため多くの皆さんからの御支援、ご協力をさらにお願いしたいと思います。
今年1月から103日までに、全国各地から合計210,247円のカンパと署名の強力なご支援をいただき、ありがとうございました。お礼状を皆さんに差し上げています 
袴田さんに小さな訪問者    が、万一届いていない場合はどうぞお許しください。
 ○ 郵便為替口座:記号番号00890-7-183799 浜松 袴田巖さんを救う市民の会 
○ ゆうちょ銀行 〇八九店 当座預金 0183799 名義人名は同じ
《 浜松 袴田巖さんを救う市民の会 》
連絡先/〒430-0807 浜松市中区佐藤1-43-1-608 ℡090-9261-4840

 

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